今夢の戯言

今夢(いまむ)の日々の戯言です

出来ない方の


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新ドラマ【ウチの夫は仕事が出来ない】第一話。なかなか良かった。

 

司さんは、本当に仕事が出来ない。社会人に向いていない。同じ会社に、7年も勤めているのが不思議なくらいだ。テーマとしては『仕事が出来るとは』みたいな事なんだと思うけど、同時に『夫婦とは』みたいなテーマも含まれていると思う。

 

精鋭部署に移動になるところから始まる第一話。でもそれは、期待をされての移動ではなく、所謂、肩たたき系人事異動だったのだ。人から期待されていないというのは、とても楽だけど切ないものである。しかもその、自分が仕事が出来ないという事を、ひょんな事から妻に知られてしまったのだ。これは、夫としての面子にかかわる。自分が会社で、仕事が出来ない扱いされている事を、妻に知られてしまったのかも…と不安になりながら帰宅する司さん。帰宅して妻に『ただいま』と言う司さんの表情は暗い。私自信も今は主婦だ。夫がどんなトーンで『ただいま』を言ったかで、その日の気持ちを少しは察してあげようと思った。笑  

 

司さんの妻の沙也加さんは、優しい人だ。自分の夫を信じている。仕事が出来ないと会社で言われている事を知ってしまった時も、『そんなはずは無い!司さんは頼りがいのある人だもの!』と思い直していた。私なら、そんな風には思えないと思う。笑

 

司さん曰く妻の沙也加さんは『森の妖精さん』らしい。森で友達とはぐれ、一人迷子になっていた時に出会ったのだ。司さんの思う森の妖精さん(妻)のイメージはこうだ。【明るいんです、とっても。料理も上手いし、それに笑顔、彼女の笑った顔とってもいいんです!】こんな事を嬉しそうに言えるのは、新婚ならではなのかもしれないけれど、沙也加さんは司さんが鞄に入れていた退職届を見てしまった日も、明るく元気良く『おかえりなさい!』と司さんを迎えた。決して自分から退職届の話をしたりはしない。必ず一度は夫を信じて待つのだ。沙也加さんが、そうやって信じて待てるからこそ、司さんが自ら『内緒にしてた事があるんだ。僕は、沙也加さんの期待に心から応えたいと思っている。でもね、それが出来ない。僕は…僕は、仕事が出来ません。僕は、沙也加さんの理想の夫には、程遠い夫なんです。』と話してくれたんだろうなと思う。どんな気持ちで司さんは、妻にそんなカッコ悪い事を自ら話してくれたのだろう。そんなカッコ悪い事を自ら話してくれた夫を、沙也加さんはどんな風に思ったのだろう。とても可愛らしくて優しい夫婦だな。とても良いシーンだった。

 

沙也加さんは、会社には仕事が出来ないと言われている夫でも、情けないなんて少しも思っていない。人の気持ちを優先してあげた夫の事を、優しく誇らしく、私の自慢の夫ですと司さんに笑顔で伝えてあげたのだ。さすが森の妖精さん。責めないであげる懐の深さがある。

 

『任された責任がある』

これは司さんの言葉だ。きっとそれが出来ない呼ばわりされながらも、7年も会社に勤めてきた司さんの仕事をする上でのプライドというものなのだろう。仕事が出来なくても、諦めない粘り強さはあるのだ。それこそ粘菌のように。餌を求めて変形していくのだ。司さんの粘り強さも、きっとこれから司さんを変えていくのだろうと思う。

そして、沙也加さんから妊娠を告げられた時にも、きっと同じように、夫として父親になる者としての責任を感じていたのだろう。『頑張らなきゃな…』弱々しくそう言った司さんは、可哀想で可愛い。あと、司さんもとても優しいのだ。自分も急いでいるのに転んだ子供を助けてあげたり、一人でお弁当を売っていて釣り銭がなくなってしまったからと、店仕舞いをしようとしていたオジサンの代わりに、司さんが一万円分の釣り銭を用意してきてあげたのだ。優しい人は損をするし、争い事が嫌いだ。仕事をするという事は、ある意味戦いなので、だから司さんには会社での仕事があまり向いていないのだと思う。

 

男は、女が思うほど、本当はそんなに強くはない。情けないし、頼りないし、弱いのだ。でも、妻や子供や家族や仲間を守りたいと強く思った時、初めて強さを持つのだと思う。周りのお陰で強くいられるのだ。

 

女は、男が思うほど、本当はそんなに弱くはない。司さんの良さが分からない会社なんか辞めていい、辞めても何とかなります、私も働きます、と言えるくらいには強く逞しいのだ。

 

理想像を押し付けない。お互いの弱さと強さを知る。そして補う。家族も会社も、チームワークが大事なのだ。

 

沙也加さんは言った。

『ダサくてもいい。ダサくてもいいから、何でも話せる夫婦になりましょう。』

森の妖精さんは、か弱い妖精さんではなく、強くて逞しい妖精さんなのだ。

 

次の日会社で、上司に『もう一度、僕に仕事をさせて下さい。』と頭を下げる勇気が持てたのは、沙也加さんのお陰なのだ。

 

男の弱さが女の強さになり、女の強さはさらに男の強さにもなるのだ。笑

 

とても微笑ましい夫婦なので、これからも楽しみなドラマです。